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公共工事設計労務単価の大幅引き上げで4億円の補正増 |
【市長】すべての労働者への賃金支払い指導の強化を約束 |
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公共工事設計労務単価の大幅な引き上げ(平均15・1%増)に伴い、新座臨時市議会が4月23日開催されました。
市長は、「平成25年3月29日、国土交通省から公共工事設計労務単価の改正が示され、平成25年度実施の公共工事の工事費が不足するため臨時議会を招集した。建設労働者の劣悪な状況を改善するもの。」と説明し、一般会計に4億66万2千円を追加し、総額443億円に増額する提案を行い、全会一致で可決しました。
新座市は、平成25年度に北野保育園の建替え、新堀小・第四中の大規模改修工事、小中16校の体育館大規模改修工事、20本の市道維持補修工事、11ヶ所の耐震性防火水槽新設工事など近年にない数多くの公共工事を行います。 |
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今回の補正予算は、4・5月に契約を実施する事業の北野保育園建設が当初予算2億6105万円を3634万円増。野寺集会所建替え当初予算7500万円を1076万円増など大幅な増額です。また、小中学校体育館大規模改修工事費当初予算22億4千万円も2億8777万円増額しました。
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議会での追及と世論の力で機敏な予算措置につながる
今回の新座市での機敏な対応の背景には、共産党市議団が公共工事で働く下請労働者の賃金支払いの適正化を議会で繰り返し取り上げてきたことがあります。また、埼玉土建組合との連携で、組合の現場実態調査結果を芦野市議が議場でプロジェクターで映写し、設計労務単価が基準を大きく下回っている動かぬ証拠を突きつけ、市の元請責任を追及しました。
こうした、議会での追及と労働組合との連携と共に世論の力で、他市に先駆け機敏な対応につながりました。
今回、新座市は機敏に補正予算を計上し、臨時議会まで開き対応しましたが、他市のほとんどがこうした対応が行われていないとの事です。
公共工事は安ければ良いというものではありません。「品質の確保」という観点も重要です。現場労働者に適正な賃金が支払われてはじめて、品質の確保が実現されます。 |
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末端で働く労働者までしっかりと賃金支払いの指導強化を
今回の労務費の引き上げを末端で働く労働者まできちんと賃金支払いを行わせる事が何よりも重要です。建設産業は重層的な下請構造で末端の労働者はまともな賃金ももらえない状況です。
国交省は「雇用や所得の拡大をめざす」と言っているように発注者からしっかりとした賃金支払いの指導が不可欠です。
市議会では、元請企業への指導強化を共産党市議団は強く主張し、市長も副市長も「下請まで行き届くようさらなる指導強化を検討する」を約束しました。
労働者の所得を増やす事がデフレ不況からの脱却のカギです。 |
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公共工事設計労務単価ってなに?
公共工事設計労務単価とは、公共工事において労働者に支払われる賃金額の基準で、農林水産省と国土交通省が毎年10月に公共工事に従事する労働者の県別賃金を職種ごと(51職種)に調査し、その調査結果に基づいて公共工事における労働者の人件費の基準を定めているもので毎年、国土交通省が県別・職種別に公表しています。 |
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国土交通省・適切な賃金支払いは喫緊の課題と認識 |
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建設現場は、公共工事・民間工事共にダンピング受注(予定している工事費より極端に低い金額で入札すること)が激化し、その結果、労働者の賃金がまともに支払われず、そして「危険・汚い・きつい」という3Kで若年入職者の減少が続いています。24歳以下の入職は、平成4年の25万人から平成21年は5.2万人と激減(棒グラフ参照)。
また、社会保険をはじめとする福利厚生も脆弱となっています。国土交通省は、こうした状況は一時的なものではなく、構造的なもので、適切な対策を講じないと災害やインフラの維持・更新に支障をきたすという問題意識を持ち、2010年に建設産業戦略会議を設置し、2011年、2012年に提言を発表してきました。そして今回、「建設労働者に対する適切な賃金の支払いは、建設産業全体の喫緊の課題」という認識にたち大幅な改定が行われました。
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